陸運だけでなく、海運や空運、鉄道輸送といった多様な輸送モードを持つがゆえに、社内で多くのシステム系統を持っている日本通運。今年春、運行管理システムの刷新時期を狙って、システム間の連携だけでなく、車両やドライバーをリアルタイムで把握する新システムを導入した。

 世界でもっとも時間厳守を求める日本の顧客。運送会社にとって、正確に対応することは、荷物のシェアを高める重要なポイントの1つである。一方、業界ではドライバー不足がネックとなっており、「頼んだ日程では運べないと言われた」「宅配便が時間通りに届かない」など、不満を抱える顧客の数は増えている。

 そんななか、この4月から日本通運が導入したオペレーション支援システムは、同業他社からも注目を集めている。というのも、ドライバーにスマホ端末を持たせて居場所のみならず、作業ステータス(配達中、荷物を積み込み中など)を、ほぼリアルタイムで一元管理できるからだ。「車両の位置のみなど、限られた情報をリアルタイムで把握している例は国内外にもあるが、細かな作業ステータスまでもを把握できるシステムというのは、あまり例がないはず」(河野一郎・IT推進部課長)。

ほぼリアルタイムで車両や作業状況を把握できるシステムは業界最先端だ

 たとえば顧客からの急な集荷の依頼があった場合、これまでのシステムなら、事前に立てた輸送計画から大体の位置を推測して対応可能な車両に目星をつけ、あとはドライバーにいちいち電話で確認をしなければならなかった。当然、ドライバーが顧客対応中で電話に出られない、といった場合もあり、確認するまでの時間が長くかかる。新システムなら、オフィスにいながらにして、ドライバーの動きがすべて把握できているのだから、確認作業はとても簡単。顧客への返事もスムーズにできるというわけだ。