関係改善のためには、日中両国の考え方を正確に理解する必要があるだろう。これまで論じてきたように、日本のメディアの報道だけを見ていては、中国の対日姿勢を見誤ってしまう可能性も考えられる。見誤った状態で、もし首脳会談が開催されなければ、「また中国に裏切られた」というような、さらなる誤解を生むだろう。

 確かに二国間には、根の深い問題が横たわる。「歴史認識問題」や「靖国参拝」、「領土問題」だけでなく、7月に集団的自衛権行使容認の閣議決定をしたことから、中国は日本が「右傾化」しているのではないかと見る。

 日本も中国に対して、「反日教育をしている」「一方的に現状を変更しようとしている」「覇権主義的」などの見方が定着しつつある。

 それでも経済関係や文化、市民レベルでの交流は途絶えることなく続いており、特に経済関係においては、互いに無視できない存在だ。付き合うのをやめる、という選択はあり得ない。

 前述した問題にどう折り合いをつけて、日中は関係を修復すればいいのか。どのようなテーマをセッティングすれば、日中首脳会談は可能なのか。本連載では日中関係の歴史や外交、安全保障、経済など、さまざまな分野の専門家や研究者の寄稿とインタビューを軸に、その答えを探る。