『ばけばけ』第63回より 写真提供:NHK
今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラ(連続テレビ小説)に関する著書を2冊上梓し、毎日レビューを続けて10年超えの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は、第63回(2025年12月24日放送)の「ばけばけ」レビューです。(ライター 木俣 冬)
トキと銀二郎、4年ぶりの再会
「塗り過ぎだないか」
「口から血が出てるみたいになっちょるぞ」
トキ(高石あかり、「高」の表記は、正確には「はしごだか」)が鏡に向かって化粧している。最初は濃過ぎて司之介(岡部たかし)や勘右衛門(小日向文世)にからかわれる。いや、ほんとに血みたいで、お化け屋敷のお化け役のメイクのようであった。令和の世の中では、こういうメイクもかわいい、おしゃれと言われることを教えてあげたい。
銀二郎(寛一郎)と会う当日。
松野家3人はすでに昨日銀二郎に会っているが、そこで何が語られたかは秘す。ただ、勘右衛門と和解したことだけは伝える。
そこへ銀二郎がトキを迎えに来た。
「おはようございます」
「おはようございます」
互いに万感の思いが去来している表情。そして、主題歌――。
主題歌明け。トキと銀二郎は縁側に座っている。傍らには形の違う湯飲みがふたつ。
もじもじしているふたりに、勘右衛門たちが茶々を入れる。
「たかぶって一睡もできんかったらしいぞ」と勘右衛門。
「一段とおきれいになられて」
「もったいなく存じます」
お見合いの頃に戻ってしまったようにかしこまってしまう。
「どげなふうにしゃべってましたっけね」なんて言っているから、フミ(池脇千鶴)が「もう出かけたら」と助け舟を出した。
家を出ると、共同炊事場にはタツ(朝加真由美)がいて。勘右衛門はタツに銀二郎を紹介する。
タツの亡くなった夫に寛一郎の鼻が似ているなどと好感触。これに勘右衛門は嫉妬するかと思ったけれど、ニコニコ見ている。勘右衛門はすっかり柔らかい人になっている。







