8月25日、政府は2014年度の国民生活に関する世論調査の結果を公表した。いくつか興味深い項目が見られるので紹介してみたい。
生活満足度は7割超だが
3人に2人が将来に不安と回答
まず、「去年と比べた生活の向上感」であるが、「向上している6.0%(+1.1%、カッコ内は対前年比、以下同じ)」「同じようなもの 72.9%(▲4.9%)」「低下している 20.9%(+4.1%)」という結果となった。同じようなものと答えた人が5%減少し、1%が向上、4%が低下、と明暗を分けた形となっている。5人に1人が低下したと答えているということは、市民レベルではまだアベノミクスの経済効果が十分に浸透しているとは言い難いということを示しているようだ。
「現在の生活に対する満足度」では、「70.3%(▲0.7%)」が満足と答えているが、所得・収入の面ではその割合が「44.7%(▲3.2%)」、資産・貯蓄の面では「37.3%(▲5.2%)」と大きく低下する(この2項目では不満と答えた人が5割を超えている)。これに対して不満と答えた人は「29.0%(+2.4%)」であった。
次に「現在の生活の充実感」をたずねたところ「充実感を感じている 73.1% (▲0.6%)」「充実感を感じていない 25.7%(+1.0%)」という結果となった。市民はどんな時に充実感を感じるのだろうか。「仕事にうちこんでいる時」と答えた人の割合は34.5%(▲2.8%)でほぼ3人に1人という形となった。
これに対して「家族団らんの時 50.8%(+0.9%)」「友人や知人と会合、雑談している時 45.5%(+1.6%)」「ゆったりと休養している時 45.4%(+0.9%)」「趣味やスポーツに熱中している時 44.1%(+2.5%)」となっており、明らかに市民は実際の人生の上ではワークよりライフを選好しているように思われる。
「日常生活での悩みや不安」については「悩みや不安を感じている 66.7%(+0.6%)」「悩みや不安を感じていない 32.6%(▲0.3%)」という結果が出た。市民の3人に2人が悩みや不安を抱えているということになる。その内容を見ると、「老後の生活設計について 57.9%(+2.6%)」「自分の健康について 49.7%(▲2.7%)」「家族の健康について 41.9%(▲1.3%)」「今後の収入や資産の見通しについて 41.0%(+1.0%)」「現在の収入や資産について 35.2%(+3.0%)」がトップ5となった。