ミドルマネジャーにも当然、上司がいます。その上司が、いつもブレずに方向を示してくれる人であったり、どんなに忙しくても相談に乗ってくれる人であったり、普段は仕事を任せてくれるけれども「ここぞ」というときには頼りになる人であったり――。そんな上司だったら、ミドルの仕事もかなり楽になるはずです。

 ところが実際には、そんな理想的な上司とは言えない人たちに振り回されたり、あるいは何もしてもらえなくて困っている人も多いのではないでしょうか。

 それどころか、いつも高圧的で、事あるごとに否定的なことや批判的なことを言われて、「本当にこの上司から離れたい」と思っている人もいるかもしれません。

 どんな人にとっても、上司との付き合い方は、自分が会社生活を送る上で一番厄介であり、一番気を遣うものです。それはミドルにとっても同じです。

 でも、ミドルになるともう1つ考えざるを得ないことがあります。それは、「その上司の指示や行動が職場のメンバーにどう影響を与えるか」を、常に考えなくてはいけないことです。

 そのまま伝えたら、メンバーが振り回されて、やる気をなくしてしまうケースもあるでしょう。そんな指示や行動を、ミドルの人たちはどう受け止めて、どうやってメンバーに伝えたらよいのでしょうか。

 今回は、こうした「難しい上司」や「横暴な上司」に、ミドルだけでなく職場全体が振り回されないように、どう対処したらよいのかを一緒に考えて欲しいと思います。

「追い込み」「振り回し」が常態化!
パワハラ上司から職場を守るには

 ミドルにとっての上司は、部長や事業部長、あるいは役員クラスの場合が多いと思います。そういう意味では、かなり組織的な影響力のある人たちです。

 そこまで昇進した人なので、実績のある人でしょうし、弁が立つ人も多いでしょう。実際に、自分の仕事だけでなく、周囲を支えたり育てたりできる人がきちんと昇進している会社であれば、高圧的な振る舞いや人を追い込むような上司はそれほど多くないはずです。