先日、ある会社でミドルマネジャー全員を集めて「職場づくり研修」を実施しました。
そこでは、組織感情診断を活用して、自分たちの部署がどのような感情サイクルになっているかを分析するセッションを行ないました。
組織感情診断の結果は、部署ごとの特徴を明確に表していました。全体的には、「イキイキ感情」が弱く、部署によっては「冷え冷え感情」や「ひきこもり感情」が大きくなっており、効力感も全体に低い組織になっていました。
「自分たちの成果、仕事の仕方、成長に自信が持てない」「今の状況はもう変わらない」と諦めている人たちも、かなりいることがわかりました。
多くのマネジャーたちは、こうした状況を変えるために、お互いの仕事の状況を理解して支援し合える仕組みを作ること、さらにベースとしての信頼関係を作る取り組みをすることが重要だと考え、さまざまなアイデアを出していました。
ただその中で、「人事制度が一番の問題だ」と指摘するグループが複数あったことは、特筆に値します。
「今の制度は人を追い込み、自信を失わせる仕組みだ。この仕組みがある限り、多くの人たちは自分への否定感や上司や会社への不信感を抱えながら、働き続けていくことになる。これでは、人をモチベートすることはできない」
これが彼らの主張です。
逆に人事部や部門長からは、「評価が低い人に『何が足りないか』を認識させ、やる気を引き出すのはマネジャーの仕事だ。自分が部下と本気で向き合わずに、制度が悪いといっているのはおかしい」という反論が出ると思います。