原発再稼働と廃炉の検討という、いわば二重の苦しい決断を迫られるのは九州電力も同じだ。10日に川内原発(鹿児島県)は規制委による審査を通過し、再稼働への道筋が見えてきたが、同時に老朽原発である玄海1号機(佐賀県)も抱えている。関電同様、財務面は苦しい状況にあるが、「再稼働をした上で、さらに値上げというのは“ナシ”」(経産省幹部)。消費税率の再引き上げが迫る中、国も値上げを避けたいのが本音だ。

経産省の思惑は?

「廃炉の検討は、経産省が仕掛けたもの」

 関電の廃炉検討と、九電の川内原発の再稼働“合格”のタイミングが重なったのは、偶然ではない。「再稼働の代わりに、廃炉の判断を」という姿勢が透けて見える。

 経産省は、この他の全国の老朽原発についても、10月までの判断を求めている。ただ、廃炉の判断をした場合はこれ以上財務を傷めないように、会計上の特別措置を加えるもようだ(その場合は、その分が電気料金へ上乗せされる)。また、廃炉させる代わりに、今は可否が曖昧な「原発のリプレースを認めるようになるのでは」との見方もある。

 再稼働と廃炉をめぐり、経産省と電力会社の駆け引きは今後さらに激しさを増しそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 脇田まや)