【30万円の戸建物件】

 私の投資対象地域は過疎地域で、日本有数の豪雪地帯であるので、秋になると、たまに売り物件の処分があります。その処分セールがあったときに4棟を各30万円で購入しました。そのうち2棟は150万円、300万円で売れたので、全体の購入費用は楽に回収しています。

 30万円で購入した物件は、ほとんど水道設備が壊れていますが、あまり気にしません。田舎の水道設備は、プロパンガスにすることを条件に、水道設備業者の資格を持ったガス供給業者さんが格安で工事をしてくれるからです。

 気にすべき点は、残置物の有無です。自分で処分すれば安くできますが、時間と体力が必要ですので、残置物はないほうが肉体的にも精神的にも楽になります。

 不動産投資を始めたばかりの頃は、自分で市町村のゴミ捨て場まで運んでいましたが、時間がかかりすぎて、ほかのことができなくなるので、業者さんに処理をお願いするようにしています。

 30万円で購入した、広い畑のある物件の残置物を土方のおじさんに7万円で処理してもらったら、畑のゴミ山から耕運機が出てきて、土方のおじさんがとても欲しがりました。その耕運機を売るか、仕事の対価として支払うかという相談になり、結局、仕事の対価としてお譲りすることになりました。

 その仕事は、10万円で購入した戸建に付いてきた倉庫の前が未整備だったので、駐車場の砂利を敷いてもらうというものです。その仕事の対価として差し上げました。新品で購入したら30万円くらいするホンダ製の耕運機です。砂利敷きは10万円程度の仕事ですので、残置物のゴミがお宝になった事例です。

 数十万円の物件を何棟も購入した結果、田舎で戸建を処分するときの値段は30万円くらいというパターンが多いことがわかりました。30万円という値段は、相続登記手数料、売買手数料、税金などの関係で、ぎりぎり赤字にならない値段だからだと思います。

 このように、あまりお金がなくても、田舎であれば格安物件を取得して、不動産投資を始めることができるのです。