鮪の人気が高まったのは、「天保の改革」で贅沢が禁止され、人々が下魚を多く食べるようになったことと、江戸前の鮨屋が鮪の切り身を醤油に漬けた「ヅケ」を考案したことによります。

 ヅケは、保存性を高めるだけでなく、魚の身の弾力を増し、舌触りを滑らかにします。

江戸時代は猫またぎの一種だった鮪《まぐろ》 <br />価値が認められたのはヅケが発明されてから鮪の漬け丼
【材料】鮪の切り身…6枚程度/温かい御飯…1杯分/卵黄…1個/葱…適量/胡麻…適量/酒…大さじ1/醤油…大さじ1/みりん…大さじ1/おろし山葵…適量
【作り方】①酒とみりんは耐熱容器に入れて電子レンジで30秒加熱し、醤油を加えて冷ます。②1に卵黄を加えてよく混ぜ、鮪の切り身をからめて5分程度置く。③器に盛り、刻み葱と胡麻をまぶし、おろし山葵を乗せる。

 ヅケが握り鮨で提供されるようになると、人々は鮪の美味さに開眼し、たちまち人気が出たというわけです。

 それでもなお、鮪の脂身への悪しきイメージは根深く、冷蔵技術が発達した昭和初期でさえ、タダ同然で取り引され、捨てられることも多かったそうです。