子どもの語彙(ごい)を増やす
「6つ」の方法(その2)
(4)リビングに「辞書」を常備する
言葉の正しい意味や使い方を理解するために、ぜひ、「辞書(国語辞典)」をたくさん使い倒してほしいと思います。
私は以前、「国語力」と「親が辞書を引く頻度」の関係性について、調べてみたことがあります。
中学3年生を対象に、「お父さん、お母さんは、辞書を引く人ですか?」という質問をしたところ、「親が辞書を引く頻度と、子どもの国語力」が、完全に正比例していることがわかりました。
子どもに「辞書を引きなさい」と諭すだけでは、ダメです。子どもに辞書を引く習慣をつけさせるには、親もその習慣を持つことが大切なのです。
親が「わからないことは、すぐに調べる」という習慣を持つ。そして、辞書を引く姿を子どもに見せてあげる。そうすれば、子どもも、「わからない言葉をそのままにしちゃいけないんだ。わからない言葉があったら、調べよう」と思うようになります。
子どもが「○○○って、どういうこと?」と聞いてきたら、子どもに辞書を手渡して、一緒に引いてあげるのもいいでしょう。そのためにも、国語辞典を「リビングの常備品」にしておく必要があるのです。
よく「電子辞書でも大丈夫ですか?」と聞かれます。もちろん大丈夫ですが、紙の辞書には、紙の辞書ならではの魅力があるので、必要だと思っています。
(5)「日記」をつけさせる
「書くこと」に慣れさせるには、「日記」がオススメです。日記は、自分が体験したこと、自分が感じたことを「正確な言葉を使って書く」ためのトレーニングにもなります。
1日に書く量は、多くなくてもかまいません。1行や2行でもいいので、「とにかく毎日の習慣にすることが、最も大切」です。
日記は、「正直な自分」と向き合う場でもあります。
もちろん、小学校低学年までの子どもは、「その日の出来事」を書くだけで精一杯でしょう。
けれど小学校高学年にもなれば、自分のドロドロしたところ、嫌やなところ、情けないところなど、「いいがたい自分の心境を言語化しよう」とします。自分の思いのたけを綴ることで、心の整理や心の浄化ができるからです。
子どもに日記を書かせるときは、ひとつだけ、条件があります。その条件とは、「子どもが小学5年生になったら、親は子どもの日記を、絶対に見ない」ことです。
親が子どもの日記を見ているうちは、子どもは「自分の本音をさらけ出す」ことができません。
5年生になると、子どもは、「親の前にいるときとは、まったく違う自分」を持つようになります。
私も日記を書いていましたが、中学生のころは「親には絶対に見つからない場所」に隠していました。友だちの悪口、好きな女の子への思い、「親にも絶対に言えない正直な自分の思い」を書き記したかったからです。
親だからといって、子どもの日記を勝手に読まないように気をつけてほしいと思います。
(6)名文を書き写させる
「花まる学習会」には、名文を書き写す教材で『あさがお』と呼ばれているものがあります。日本の名文・詩・唱歌や童話などの文章を写すことで、日本語の語感、リズム、詩的な表現を味わうことができるのです。
書き写しは、「読む」よりも時間がかかりますが、その分、言語知識が子どもたちの頭に深く沁(し)み込んでくれるのです。
(※次回・第5回の記事は、「9月29日(月)」になります)
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■『本当に頭がいい子の育て方』
テレビ「情熱大陸」「カンブリア宮殿」「ソロモン流」で大絶賛の「花まる学習会」、本当に頭がいい子を育てる「7つの力」とは!
「勉強ができること」と「頭がいいこと」は、必ずしもイコールではありません。
私は大勢の子どもたちを見てきた経験から、「『本当に頭がいい子』に育てるには、7つの力が必要である」
と考えています。
■■【本当に頭がいい子を育てる7つの力】■■
・【第1の力】「魅力」…人が集まってくる人間としての器
・【第2の力】「体力」…すべての活動の土台となる基礎体力
・【第3の力】「やる気」…自分から楽しんで行動する力
・【第4の力】「言葉の力(国語力)」…すべての学力の土台となる力
・【第5の力】「見える力と詰める力(算数力)」…意図を読み取り粘り強く考える力
・【第6の力】「親子力」…親と子どもの関係から生まれる力
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