一生懸命働いているのにマネジャー失格!?
入社15年目女性管理職に足りなかったもの

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 それは突然の内示だった。マネジャーに呼ばれ、こう切り出された。

「次の人事異動で、君が輸入管理課のラインマネジャーになることが決まった。今までの実績が評価されたということだね。おめでとう」

「え…あの…。私には荷が重すぎるんですけど。これって、断わったらどうなるんですか?」

「もう会社はそれで調整している。どうしても断わるとなると、会社に多大な迷惑をかけることになるなあ」

 サラリーマンなら、それがどういうことかよくわかる。内示といえども、断れないんだ。ひしひしと自分の置かれた状況がわかってくる。

 入社して15年、年齢的にもキャリア的にも、管理職になっておかしくないのか。それに今、うちの会社は、「女性に輝けるキャリアを!」といったスローガンを掲げ、それとなく女性の管理職登用を意識している。それも重なっての大抜擢?か…。

 私は、ある程度の覚悟と少し期待を胸に抱き、人事を受け入れ、輸入管理課のラインマネジャーになった。

 今までの仕事も、輸入管理とは関係していたので、仕事はある程度わかっていた。新しく部下になってくれるメンバーも、社歴は浅いが、素直で頑張りやのメンバーで、なんとかやっていけそうな気がした。

 仕事は忙しく、気がつくと、マネジメントも、管理課の仕事も、ちゃんとしていると思われたいと、つい一生懸命やり過ぎてしまい、人一倍働いていることも多かった。とにかく忙しく、身体がいくつあっても足りないくらいだった。

「課長、次何しましょう?」

「◯◯の件は、どうしたら、いいですか?」

 部下がだんだん指示待ちになり、主体性がなくなっていったのも、気がついていなかった。でも、部下に頼りないと思われたくない、その一心で、毎日、自転車操業的に聞かれたことに指示を出し、自分も精力的に動くことで、なんとか業務をこなしていた。

 そのやり方に限界を感じていたころ、以前の上司にこう言われた。

「君は部下としては仕事ができるけど、管理者としては、0点だ。管理職としてどのように仕事を進めるべきか、考える必要があるね」