消費増税後、スーパーなどの売り上げが落ち込むといった個人消費の停滞が顕著になる中で、百貨店だけが一人気を吐いている。だが、そこには意外な理由がありそうだ。

 日本百貨店協会の発表によると、8月の全国の百貨店売上高(既存店ベース)は、前年同月比で0.3%減少となり、消費増税後の4月から5カ月連続のマイナスとなった。

 しかし、減少幅は大きく改善、地区別では大阪が2.5%増、福岡が2.4%増、東京が1.3%増となるなど、都心部を中心に消費増税後初めてプラスに転じた。

 こうした結果を受け百貨店協会は、「消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動は着実に回復基調」と強気の見方を示している。

銀座三越の周辺は外国人だらけ。免税カウンターを設置するなど取り込みに躍起だ
Photo by Ryosuke Shimizu

 だが、百貨店の幹部は、「数字にはからくりがある」と語る。

 東京五輪の決定などもあり、海外からの訪日客は増加の一途。彼らは消費税が免税となるため、増税などどこ吹く風。百貨店が得意としている高額商品を買いあさっている。

 現に、免税品の売上高は前年同月比41.3%増の47億円に上るなど、8月としては過去最高を記録したほどだ。

 それが、夏物と秋冬物の端境期で売り上げ全体が小さくなる8月の売上高にオンしたため、前年同月と比べるとインパクトが大きくなって「回復基調に見えているだけ。訪日客を除けば実質的にはマイナス」(百貨店幹部)という。

 つまり、「インバウンド頼みの売り上げ増」(同)というのが実態だというわけだ。