中国経済の鈍化傾向による需給緩和
米国金融緩和の終焉で資金引き上げも

 一時期、世界の鉄鋼石の需要の6割程度を占めていた中国の経済活動が低下すると、世界の鉄鉱石の需給関係は大きく変化する。それに伴い、鉄鉱石の価格も下落する可能性は高い。また、石炭や銅などの資源の需給も大きな影響を受け、価格が不安定化することが想定される。

 世界的な資源の需給に大きな影響を与える中国の政策当局は、現在設備投資や輸出主導の資源多消費型の経済構造を変えようとしている。最近の政策運営を見る限り、無理をして高成長を維持するスタンスは見られない。ということは、当面以前のような資源需給の逼迫は遠のいたと見るべきだろう。

 もう1つ見逃せないポイントは、米国の金融政策の変更だ。今まで、米国の金融当局であるFRBは、景気を下支えするために思い切った金融緩和策を採り、多額の資金を供給してきた。その資金の一部が投資として、株式や資源などの商品市況に流入してきた。

 投資資金の流入は資源の価格を押し上げる役目を果たすため、主な資源の価格は安定した上昇傾向を辿ることが多かった。そうした価格動向は、商社の資源ビジネスを支える重要なファクターの1つだった。

 ところが、今月でFRBのQE3(金融緩和策第3弾)が終了し、来年のどこかでは政策金利の引き上げが予想されている。それが現実のものになると、商品市況に流れ込んだ投資資金は市場から流出する可能性が高い。

 投資資金が流出すると、資源の価格が一段と不安定化することが懸念される。価格が不安定化すると、資源ビジネスのリスクは拡大する。そうした懸念もあり、大手商社は多額の減損処理に動かざるを得なかった。

 大手商社は、これからより厳しいリスク管理体制を築く必要がある。もともと商社には、特定分野が儲かると「イケイケどんどん」の積極的な企業文化があると言われてきた。