保育園不足の地域で子どもを保育園に入れたいのなら、保育園活動、通称「ホカツ」は必須だ。保育園特集を組んだ実用ライフスタイル誌「ダイヤモンドQ」編集部がお送りする連載の第5回は、入園のためのテクニックと、いい保育園の見分け方を、教えよう。

 わが子を待機児童にしたくないのはどの保護者も一緒だ。そのためには「入園の仕組み」を知っておく必要がある。

 まず申し込み方法から見ていこう。保育料が安くて施設が充実している認可保育園は、4月入園希望の場合、前年の9~12月に市区町村へ申し込む。通常、希望順位を付けて複数の保育園名を記入する。自治体によっては「第10希望くらいまで記入しなければ、入れない」ともいわれる。

 実際、千葉県柏市は第20希望まで記入できる申込書を作成しているから、あながちうそではない。ただし通える範囲でなければ意味はない。

 重要なのはここから。自治体は、世帯の保護者の就労状況や、世帯構成、要介護者の有無などによって世帯を点数化し、点数が多い順に入園を許可する。この配点では、フルタイムの共働き世帯が当確線上で並ぶことが多いため、保護者はさらなる一工夫が必要となる。

 例えば、出産を5月にすれば有利だ。多くの保護者は子どもが1歳くらいまでは自宅で育て、その後保育園に預けることが多い。ただし保育園の1歳児枠は非常に倍率が高く、入りにくい。そこで、翌年の4月入園の際に比較的倍率の低い0歳児枠で申し込むことができるように、計画的に出産すればいいのだ。認可保育園の場合、8ヵ月以上にならないと預けられないことが多いので、4~7月生まれなら大丈夫だ。ただし、そんなに厳密に管理できることではないので、5月を狙うのが安全だ。

無職の祖父母と同居はマイナス
勉強しておくべき認可保育園の基準

 子どもが2人以上いる場合、上の子どもを保育園に預けていると、下の子どもは点数がアップする。上の子どもが入っているのは認可外保育園でも構わない。

 逆に無職の祖父母が同居している場合は点数がマイナスになる自治体が多い。祖父母が子どもを預かればいいというのが理由だ。市区町村によって入所の「基本指数」「調整指数(基本指数によって差がつかない場合の調整基準)」の点数配分が微妙に異なるので慎重に見ておこう。

 ちなみに、一人親の場合は、点数がかなりアップするので有利だ。「認可保育園に入るために、偽装離婚したい」と冗談まじりに言う人がいるほど、大都市では認可保育園に入るのは難しい。