我が子を保育園に入園させる道は長くて険しい。大都市では女性の社会進出に伴う保育園不足が深刻であり、保育園に関する情報が少ないためにどこを選べばいいのか分からないという保護者も多い。そこで、実用ライフスタイル雑誌「ダイヤモンドQ」編集部が、「失敗しない保育園選び」のために実用的な情報を紹介しよう。第1回は、最も待機児童が多いことで注目されている世田谷区の保育園事情を明らかにする。

「子どもが通っている世田谷区が経営している保育園では、子どもの昼寝用布団のシーツは保護者がかけることになっています。夏になるとクーラーがかかっていない熱い部屋で汗だくになってシーツ掛けをさせられ、とても嫌な気分になります。ほかにもスーパーのレジ袋を提げて行ったりするだけで、園長や保育士から怒られます。買い物に行く時間があったら、1分でも早く子どもを迎えに来なさいということなのでしょう。子育てはなるべく保護者が汗をかいてやるべきという、悪しき根性論がはびこっており、時代錯誤もいいところです」

 世田谷区営の保育園に子どもを通わせているこの保護者は、前近代的な経営方針や考え方に嫌気がさし、ついには別の保育園に転園したという。

 こうした保護者の悩みは実はよく聞かれる話だ。公営の保育園が昔からのやり方に固執するのに対して、株式会社経営の保育園はサービスが充実していて柔軟な対応ができると一般に言われてきた。  

ダイヤモンドQ(創刊準備1号)の特集「失敗しない保育園選び」では、利用者が安心できる保育園の視点でランキング「東京ベスト保育園594」を作成した。各保育園を100点満点で評価し、市区町村ごとに点数の高い順に並べた。その結果、公営と株式会社経営では、主に保護者からの評価に大きな差があることが判明した。

本邦初の東京保育園ランキング
上位594保育園を点数で評価した

 ランキングは東京都内の認可保育園・認証保育園を対象に、サービス内容、利用者尊重の姿勢、不満・要望への対応、組織運営力などを点数化。特に保護者の声を重視した点数配分にした。今回の調査は昨年度、第三者評価を受けており、情報開示に積極的で業務改善に意欲がある保育園だけを対象とした「ベスト保育園」なので、都内のすべての認可保育園、認証保育園をカバーしているわけではなく、各自治体で最下位の保育園が必ずしも本当の最下位の保育園ではないことをお断りしておく。その結果、世田谷区のランキング結果が非常に興味深いものとなった。