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ベネッセ事件の対応はどこで間違えた?
法的対策と広報対策の要点はここだ

ダイヤモンド・オンライン編集部
2014年10月23日
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 そんなはずはないと思うかもしれないが、データベース・セキュリティ・コンソーシアムの実施したアンケート調査によると、なんとおよそ10%が待遇への不満を理由に、「情報を売却するかもしれない」と回答しているのだ。

 下請けに支払っている価格や労働環境を今一度、見直す必要がある企業は少なくないはずだが、システム部門自体が会社からコストセンターとして見なされているから、こうした改革に着手するのは難しい。結局、経営陣が情報の重要性と、漏洩した場合のダメージの大きさを認識して対策に乗り出さなければならない問題なのだ。

起きたときにどうするのか?
広報部隊の対応が運命を大きく左右する

 最新のテクノロジーで武装し、社員教育を徹底させることで、犯罪行為を100%防ぐことができるという発想は、人間で言えば「無菌室で暮らせば一切病気をしなくて済む」と考えることと同じ。つまり、無理な相談だ。

 防衛策を考えると同時に、「もし我が社で起きた場合にどうするか?」、戦略を持っておく必要がある。

 企業の広報コンサルティングを手がけるボックスグローバル・ジャパンの越田稔シニアバイスプレジデントは「記者だけでなく、その先にいる消費者などに、どう役立つ情報を提供できるか。これが危機対応にとって非常に重要」と話す。

 情報漏洩のケースで言えば、自分の個人情報が漏洩しているかどうかが、顧客の一番気になるところだろう。この疑問にきちんと対応できないまま、「とりあえず発表しなければ」と焦れば、記者会見でまともに質問に答えられず、会見の場が炎上するばかりか、余計に顧客を混乱させ、企業イメージをさらに悪化させてしまう。公表スピードは確かに大切だが、発表する内容を精査することは、もっと大切なのだ。

 「事件は起きてしまったのだから、顧客の不安を払拭するのは無理。正しい情報を提供することと、適切な対応策を取っていることを知らせることで、不安を和らげるという発想を持たなければならない」(越田氏)。

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