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会議改革はなぜ進まないのか?
――効率化追求を越えて会議そのもの意義を再考する

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第29回】 2014年11月7日
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会議は既成事実づくりの場なのか?

 議論も意思決定も行わない、すなわち単に多くの人に情報を伝達したり、経過や結果を報告したりするだけであれば、電子メールや電子掲示板で十分な場合も多い(図2の左下)。実際のところ、このような目的のために実施されている会議は多く、意義や目的を問うことなく、慣習として行われているのではないだろうか。

 会議の場に列席していたこと(また、その場で反対意見を述べなかったこと)を既成事実化するために、あらゆる関係者を招集するということも往々にして行われている。結論は決まっているのに形式的に集められるというものだ。

 このような場合、例えば、すべての関係者を会議に招集するのではなく、事前に電子メールや掲示板に議事を提起し、意見を収集しておいた上で、意思決定に必要な少数だけで会議を行い、その結果をまた掲示板などで告知するという方法を採れば、そのような既成事実づくりのための不毛な会議に出席する必要はなくなるだろう。

 会議改革は重要課題ではあるが、Future of Work を描くにあたっては、会議のあり方だけを議論するのは片手落ちといえる。組織におけるコミュニケーションには、会議だけでなくさまざまな手段が考えられる。また、昨今では、電子メールは本当に情報伝達の手段として最良といえるかといった疑問の声も多く聞かれる。

 コミュニケーションの目的に目を向けると、情報伝達、情報共有、周知徹底、啓発、意思決定、合意形成など多岐にわたる。手段は、目的に応じて使い分けるべきであり、組織運営という大きな視点で再考することが求められる。

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内山悟志
[ITR会長/エグゼクティブ・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。2019年2月より現職。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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