クラウドでのファイル保存・共有サービスを提供するドロップボックス。2007年の創業後全世界でユーザー数を伸ばし、ビジネス向けに採用する企業も増えてきている。日本事業の拡大を狙うヒューストンCEOに、事業の状況を聞いた。

──現在の「Dropbox(ドロップボックス)」のビジネスの状況は?

ドリュー・ヒューストン(Drew Houston)/1983年、米マサチューセッツ州アクトン生まれ。マサチューセッツ工科大学(MIT)を卒業後、 USBドライブを常に持ち歩いたり、データファイルを自分宛てにメール送信したりすることに嫌気が差し、2007年の初めにMIT時代の友人アラシュ・フェルドーシと共に、後にDropboxとなるプロジェクトを開始。2012年には「Fortune」誌の「40 Under 40(40歳以下のビジネス界のトップスター40人)」にもリストアップされた。
Photo by Jun Takai

 世界で3億人のユーザーを有し、過去1年半でユーザー数は200%伸びました。そのうち400万人が業務で「ドロップボックス」を使い、うち97%はフォーチュン500にリストされている大企業です。また、ユーザーの70%は米国以外です。

 社員は現在約800人。米国外でもダブリン、ロンドン、パリ、オーストラリアに支社があります。東京でもこの9月に事務所をオープンしました。

 事業の成長は、多くの人が複数のデバイスを持つようになり、それぞれで作成したファイルや写真データなどを共有することが必要になっているためです、メール添付や(シトリックス社の)「シェアファイル」などの他のファイル共有サービスよりも使い勝手が良く、支持を広げています。

 ドロップボックスには大きく分けて3つのサービス形態があります。

 無料のサービスで、友人を紹介することで2GBから15GBまで容量を増やせる「ベーシック」、年に99ドルで1TBまで容量が増やせ、より高いパスワード保護などのサービスが受けられる「プロ」、そして1年半前にリリースした「ビジネスドロップボックス」です。

「ビジネスドロップボックス」は、より高いセキュリティ機能や管理者権限をもっていて、共同作業がしやすい環境を提供するものです。ユーザー数はすでに8万件に達しています。