溜まっていく一方のメモや紙資料。それをスキャンしてクラウド化すれば、どこからでもすぐに引き出すことができる。とくに企業やグループで進める作業の場合、デジタル化した資料を共有できれば作業効率もアップしそうだ。
「エバーノート」は「ドロップボックス」やグーグルのサービスなどと並び、クラウド型情報管理サービスの代表格だが、昨年12月に企業向けバージョンの「エバーノート・ビジネス」がスタートした。利用料は、1ユーザーあたり月額900円。中小企業や作業グループでも導入しやすい。個人向けの有料サービス(プレミアムサービス)の機能に加えて、業務で使用する「ビジネスノートブック」とその管理機能を使うことができる。
企業向けだからといって、すべてを全員で共有していては情報量が膨大になりすぎて、かえって非効率。そこでエバーノート・ビジネスでは、ノートブックごとに共有メンバーを絞り込める一方で、全共有ノートがデジタル図書館のようなライブラリに蓄積されていき必要に応じて参照できる、という二層構造をとることで、軽さと情報の豊富さを両立させているという。
たとえば他社との打ち合わせのためにメモを取っていると、以前にその会社とやり取りした他の従業員がまとめた情報がライブラリから「関連ノート」として表示されることがある。紙資料ベースなら、いちいち手で探すしかなかったが、作業効率アップに役立つ。
インターネットFAXを使えば
従来のビジネス慣習もペーパーレス化できる
去る6月7日、名古屋市でエバーノート関連のセミナーが開催され、ペーパーレス化の先駆者がそれぞれの手法を語った。普段から紙の資料の管理と共有に頭を悩ませているビジネスピープルには参考になるかもしれない。
堀江織物株式会社(本社は愛知県一宮市)の東京オフィスリーダー堀江賢司氏は、営業で東京と愛知を定期的に往復する日々を送っている。そんな堀江氏は日本に8人しかいない「エバーノートアンバサダー」の一人でもある。仕事効率化アンバサダーの称号を持つ彼が説くのは、FAX整理の効率化だ。
堀江氏はエバーノート・ビジネスを4人で共有している。外回りが多く、出先でノマドワークをすることが多い彼には、スタッフ全員が集まらなくても伝達事項や各人のアイデアを共有できるこのサービスが重宝しているという。