「婚活ブーム」が続いている。昨年の春には婚活をテーマにしたドラマが2本も放映されたが、いずれも惨敗。婚活も一過性のブームで終わるかと思われた。

 ところが、実際には結婚や男女の出会いに対する世間の関心は高かった。昨年秋にスタートした日本テレビ系の新型結婚バラエティ番組「シアワセ結婚相談所」もジワジワと視聴率を伸ばし、最近では裏番組である「ロンドンハーツ」を抜いたという。

 ご存じの通り、「ロンドンハーツ」の主たるテーマは「恋愛」なのだが、長らく安定した人気を誇ってきたこの恋愛バラエティを、結婚バラエティ番組が抜いた。恋人にトラップを仕掛けて浮気するかどうかを試したり、芸能人を格付けして「恋愛市場における価値」を晒すといった「恋愛遊戯」よりも、結婚を見据えた「幸せの方程式」を視聴者が支持している。そこに時代の変わり目を感じる。

 独身男女は、キャリア・デザインと同様、ライフ・デザインの一環として、まじめにパートナー探しを考えている。そして、男女の出会いである合コンを新しい視点で捉えようとする団体も増えている。

成功率が大幅アップ!
「社会貢献」が合コンを変える

 「合コンデザイナーズパートナーズ(GDP)」は都内のビジネスパーソン9名が集まり、昨年10月に発足した合同会社(LLC)だ。社名に「合コン」という言葉が入っている初めての会社だという。それだけに、合コンに賭ける意気込みは高い。

 理系発想で、「効率的で生産性の高い合コン」を考えているところがユニークだ。代表の中島幸一郎氏によれば、これまでの合コンはあまりに効率が悪かったという。出会いとはかけ算なので、出会いの数も大事だが、効率的な出会いの場を演出しないと効果的な合コンにはならないという。何度、合コンに参加しても、出会いの演出がゼロだとすべてがゼロになってしまうという理屈だ。これを彼らは、「合コンの満足方程式」と呼ぶ。

 そして、合コンの満足度を高めるために、さまざまな理論を駆使して演出を行なう。たとえば、ザイオン効果。これは、人は接触回数が多いほど仲良くなるという心理学の理論だが、この理論をもとに、一度の合コンで同じ男女が4回、自然に出会えるように「デザイン」するという。

 今後は日本独自の合コン文化を世界に輸出し外貨を稼げるようになりたいという。中国などは有望な市場だと語る。つまり、彼らの目的は合コンビジネスであって社会貢献をテーマとした社会起業家ではない。しかし、実際には合コンと社会貢献は非常に相性が良いと中島氏は語る。

 多くの男女が目的と場所と時間を共有することは、合コンの生産性を高める。社会貢献をテーマとした合コンは、最初から参加者が価値観や想いを共有しているし、社会を変えるという目的も共有している。しかも、共有度が非常に高い。合コンはかけ算なので、成功率もぐっと高くなるという理屈だ。