今まで民法改正の概要のお話しをさせて頂きました。当然のことではありますが、民法改正は防御のためにあるだけではありません。民法改正を1つの契機に企業にとって新しい商機が生まれてくる可能性があります。そこで、あくまで法律家という立場で新しいビジネスチャンスの話を語ってみたいと思います。

 以前にも述べたように、債権回収に関するビジネス、瑕疵担保責任に関するビジネスチャンスが生まれてくるかと思います。また、出版関係や士業関係でも、好機が訪れると思われます。

民法改正はさまざまな国家資格の
受験対策に影響する

 実は今まであまり述べてきておりませんが、民法改正は出版業界にとっては大きなビジネスチャンスが到来することは間違いありません。近時、電子書籍の浸透に伴い出版業界にとっては厳しい風が吹いております。

 しかしながら、今回の民法改正は我々の社会生活に様々な影響を与えることになります。ビジネスパーソンから見れば傍観者としての立場に立つことは許されません。

 そこで、民法改正を正しく理解するための解説書が必要になり、出版業界にとっては大きなビジネスチャンスになろうかと思います。もちろん、改正法の分かり易い解説書の出版と連動するように民法改正セミナーを実施すれば、さらなる集客も見込めるでしょう。

 これらに加えて、改正民法対策については、各種国家資格、例えば、司法試験、司法書士試験、不動産鑑定士試験、土地家屋調査士試験、行政書士試験、宅建試験、公務員試験等では重要科目になっております。

 各種国家資格向けの民法テキストや過去問集の解説本等の出版も必要になってきます。これらの国家資格の受験生の人数を合算しただけでも相当の人数になってきますから、こうした書籍の需要はかなり見込めそうです。