もっとも多かったのは「引きこもりは回復するのか?」「どうすれば本人と会えるのか?」「(本人に)どう語りかければいいのでしょうか」などの家族や支援者からの質問だ。

 それに対して、講師たちからは「就労は、解雇されることもあるから、ゴールではない」「カテゴライズにはめ込まれることで、動かなくて見えてこないこともある」「自分の人生における悩みは、自分で解決することができる。自分自身がいい方向に進んで行って幸せになることができれば、うまくいくのではないか」「結局は本人しか動くことはできない。こんなのがあるよという情報提供でいいのではない」などの回答があった。

 一方、会場からは「小さな村には資源がありません。NPOに興味があります。具体的な活動内容を教えてください」「法人活動をやりたくなりました」などの感想もあった。

 そんな反応に対して、森下さんは、こう説明する。

「当事者から“情報がない”という話をよく聞きます。でも、こういう活動をしていると、いろいろなところへ行けて、イベントや支援の情報が入ってくるので、主にホームページで紹介しています。また、自分たちでも“震災とひきこもり”“勤労を考える”などのイベントを企画して、情報発信もしています」

 また、自分から変わろうと思ったきっかけを聞かれた田中さんは。こう答えた。

「人間関係もうまくいかなかったし、将来どうすればいいかわからない、どうしようもない状態だったときに、目にとまった本を読んで、言葉をちょっとずつ変えるとか、試すしかなかったっていう感じです」

 さらに、Aさんに対して、逆戻りしないように、どのように自分の気持ちを保ち、前進させているのかという質問があった。

「常に次のステップの意識はあるけど、考えているようで考えていない。目の前にあることをやっていけば、何とかなるのかな。気がついたら、こんなことをやっていたので、これからも、できることをやっていけばいいのかなと思っています」