では、いまAさんはどうなっているのでしょうか。事務作業をたった一人で行ってきた実績を買われ、任される仕事の範囲がとても大きくなりました。そればかりか、彼女でないとできないという業務がどんどん増えていっています。今でも、ごく稀に起こる家庭の事情などで早退しなくてはいけない時にも、周りからサポートが受けられるようになったそうです。そして、他県の新規事務所の立ち上げなどの際にも呼ばれる程に頼られており、大活躍しています。

 ここでお伝えしたいのは、彼女は主婦としてでも契約社員としてでもなく、一人の社会人として真摯に仕事に取り組み、そして自分で居場所を作ったということです。その過程で趣味をうまく使い、社外でストレスコーピングを自分でしていた点は見習うべきでしょう。確かにストレスが溜まった際、社内の事情が分かる方に愚痴るのも簡単ですが、そういった不注意な行いはいつか自分自身に返ってくるケースもよくあります。

 働くうえで、主婦だからこその条件は必ずあると思います。また、社会進出にあたり、現在の生活よりも負担が増えることもあるでしょう。しかし、社会に出ることで新たな自分の居場所が増えたり、他者との関わりによって得る自分自身の新たな発見もあるはずです。

 だから「主婦の方は皆さん社会に出て働いてください」と言いたいわけではありません。もし社会に出て働く場合でも、「家計のために仕方なく」「本当はやりたくないけど我慢して……」と働くよりは、何か前を向いた目標があればと思い、前回と今回で主婦の社会復帰に触れて参りました。

 常に変化していく社会の中で、あなたがやりたいこと・できること・すべきことが何なのかを今一度考えてみてください。社会復帰にチャレンジをするあなたを心から応援しております。

(キャリアプロデューサー 櫻井樹吏)

<参考文献>
「女性のキャリア継続」乙部由子(勁草書房)