「女性の活躍推進」を掲げる第二次安倍政権の目玉でもあった「過去最多人数となる女性閣僚の登用」。しかし先日、2人の女性閣僚が同日に辞任するという非常に残念なニュースがありました。

 また、その数日後には、妊娠を機に管理職を解かれたことを不服とした「マタハラ裁判」で、最高裁が「降格を本人が承諾もしくは特段の事情が無い限りは違法」という判決を下し、注目を集めました。

 このように、今、女性活躍推進という大きな波がある中で、これまで以上に働く女性にまつわる様々な意見や事例が注目を集めています。これは、「女性は結婚して家庭に入る」ということが普通だった時代が終わり、女性も一人の働き手として、家計の担い手になれるようになってきた証でもあります。

男性が家事をすると「手伝った」
女性ばかりが家事・育児を抱え込む現状

 以前は、女性が働いていたとしても仕事は補助的なものが多く、経済的な負担は夫が担い、結婚すると専業主婦となる人がほとんどでした。しかしその後、男女雇用機会均等法、育児介護休業法を経て、女性が働きやすい時代に変わると同時に、共働きの世帯も増えていきました。

 さらに、女性をめぐる職場環境が変わるとともに、男性の職場環境も変わりました。昔のように長く真面目に務めていれば年功序列で職位が上がり、収入が増えていくといった時代ではなくなってしまったのです。リストラや、会社の倒産など予期せぬリスクもたくさんあります。そのため、「共働きで収入を得る」のは、「リスクを防ぐ」ことでもあります。

 しかし、女性が働き続けることが当たり前になってもなお、女性だけが家事や育児を担うという状況は、実のところあまり変わっていません。男性は、家のことは女性の役割と思っていて、何かする際は「手伝う」という言葉を使い、いかにも「してあげた」という意識を持つ傾向があります。女性自身も、家事や育児を一人で抱え込み、がんばってしまうことが多いのではないでしょうか。

※家事参画時間の男女比のデータ
参照:男女共同参画社会の形成の状況より(内閣府男女共同参画局)
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 このように、従来の男女の役割が変わりつつある一方、家事や育児は女性の仕事のまま。さらに共働きで仕事もとなると、女性だけに負担がかかり、不公平なのが現状です。