コンセントやスイッチなど電気を使えるようにする「配線器具」で世界有数のメーカーでありながら、長らく国内市場がメインだったパナソニック・エコソリューションズ社(母体は旧松下電工)。2012年1月にパナソニックの社内カンパニーとして再出発してからは、海外展開を加速させている。現在、エコソリューションズ社を率いる吉岡社長に問題意識を聞いた。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部 池冨 仁)
――この11月6日、パナソニック・グループとして、インドでオフィスや店舗向けのLED(発光ダイオード)照明事業に参入すると発表しました。現地で主体となるのは、2007年に買収した老舗のアンカー・エレクトリカルズ社ですが、彼らを統括する立場のエコソリューションズ社としてはインド市場をどのように位置付けているのですか。
Photo : Shinichi Yokoyama
インドは、最重要拠点の1つです。そして、近年は“インドから西の攻略”が課題でした。インドへは07年に出ていきましたが、14年2月にはさらに西のトルコで、コンセントやスイッチなどの「配線器具」で最大手のヴィコ・エレクトリック社を買収しました。配線器具では、日本、韓国、インドネシア、タイ、ベトナム、インド、台湾、トルコのアジア8カ国でナンバーワンです。
インドのアンカー社については、M&Aの前に相当細かく調べていたのですが、実際に現地に行ってみると、「開けてびっくり」ということがたくさんありました(苦笑)。アフターM&Aでは、日本企業とはまったく異なるビジネスや価値観の違いに直面しながら、会社としてきちんと機能するための整備に5年くらいかかりました。現在、同社の売上高は約300億円、スタッフは約1万人で、ようやく“成長エンジン”の1つになったという認識です。