安倍政権が打ち出した成長戦略の柱の一つ「女性活躍推進」政策。しかし、衆議院解散によって、いわゆる「女性活躍推進法案」(女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案)は廃案となった。今回の廃案は見直しの良い契機と見る向きもあるが、そもそも安倍政権の女性活躍推進政策は評価できるものだったのか。衆議院総選挙を直前に控えた今、この2年間における安倍政権の「女性活躍推進」政策について、安倍内閣で内閣府規制改革会議委員も務めるイー・ウーマンの佐々木かをり社長にその評価を聞く。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 林 恭子)

ラガルドIMF専務理事も注目
安倍首相の「女性活躍推進」宣言は高評価

――この2年間の安倍政権における女性活躍推進政策に点数をつけるなら?

ささき・かをり
イー・ウーマン代表取締役社長。ユニカルインターナショナル代表取締役。国際女性ビジネス会議実行委員会委員長。 1983年上智大学外国語学部比較文化学科卒業。フリー通訳者として活躍後、87年ユニカルインターナショナル設立。同年より『ニュースステーション』リポーター。96年より毎夏「国際女性ビジネス会議」開催。2000年イー・ウーマン設立。安倍内閣では内閣府規制改革会議委員を務め、その他にも多くの政府審議会の委員を務める。2児の母。著書は『自分を予約する手帳術』(ダイヤモンド社)など多数。

 今後への期待と感謝の意味も込めて、80点を差し上げたいと思います。やはり重要なのは、安倍総理が「女性活躍が“日本の経済成長”に直結する柱だ」と言い続けていることです。もちろん「3年抱っこし放題」(育休3年)のように細かくみればいろいろありますが、発言を続けていることに関しては、合格点を差し上げたいですし、感謝しています。

 事実、日本の歴史上でこれほど力強く女性の活躍推進について発言した首相がいたでしょうか。しかも1度ではなく、国連やダボス会議などの国際会議の場でも発言し続けています。

 なぜ総理が一生懸命言い続けることが重要か。それは、日本の男性企業トップ、男性政治家、男性メディアの耳に届き、動かざるを得ない状態をつくるからです。また、総理に限ったことでありませんが、誰でも人前で大々的に宣言したことは守らないといけない強い気持ちにつながります。それが1度ではなく、各所で話されていますから、ご自身も自分の言葉に洗脳されるし、外からはチェックされるようになり、達成へのプレッシャーにつながります。

 今年10月、フランスで開かれたヨーロッパで最大規模の女性会議に招かれ、安倍政権下での女性活用について壇上に上がってお話することになったのですが、その前にラガルド国際通期基金(IMF)専務理事が壇上でとても驚くべき発言をされました。「日本では安倍総理が『2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%にする』と言っている。国のリーダーがこう言い続けるのはすごい」と1000人以上のヨーロッパの方々の前でわざわざ日本の例を出されたのです。