改めて言うまでもなく、デジタリゼーションがブランドのあり方を劇的に変えている。何かのブランディング活動を考える際に、時には「What=何を表現しようとするか」を決定する前に、「How=いかに個々のユーザーにリーチしようとするのか」を検討し、決定することが必要となっている。

 「リアルタイム・ブランディング」「アダプティブ・ブランディング」は、(しばしばデータ化された)ユーザーの興味や行動に迅速に反応し、ブランドを「流動化」させて柔軟に変化させるアプローチである。デジタルメディア上の広告やコンテンツに限らず、商品・サービス自体も含めたマーケティング要素のあらゆるすべてを、パーソナルな期待値を捉えて変化・適合させ、ブランドとユーザーの繋がりを強めることが、実際にユーザーが望む形、高まる一方のユーザーの期待値なのである。

 スターバックス社は、「My Starbucks Idea」というサービスで、より一層アダプティブになるための新しいアイデアを公募することで、ブランドのユーザーとの繋がりを強力に高めている。

 公募アイデア対象は、Product(商品)、Experience(体験)、Involvement(社会参画)などのあらゆる領域に渡っており、ドリンクやフードの種類や味だけではなく、立地や店舗空間、カードのデザイン、音楽、コミュニティ、注文・支払方法、社会貢献のアイデアに至るまで、広く募集されている。応募された総数は十数万件(2014年12月現在)に及び、既に数百件が採用されている。

KLMオランダ航空社の「Meet & Seat」というサービスは、実は私も大好きなのだが、出発前に他の搭乗者の Facebook、Google+やLinkedInなどのSNSのプロフィールを見ることができ、チェックイン時に隣に座る人を確認してから、座席を指定することができる。同じ関心分野を持つ人との出会いや、ビジネスネットワーキングの活用を意図したものである。