今こそ「ブランディング3.0」への経営ルールの変更の覚悟と決断を

 ブランディング3.0に真剣に取り組もうとすれば、結果、予測困難で、コントロールがほぼ不可能な、複雑性が生じる。その複雑性は管理不可能な水準であることへの理解が、貴社の経営陣・従業員にはあるだろうか?複雑性は、「正しく、正面から付き合う」という考え方が必要なのである。

 すなわち、ブランディング3.0時代において、ブランドオーナーは「良いアイデア」を基軸に広告にするだけでは、成功を望めないことになる。ユーザーは、受動的な消費・購買・使用だけでは満足せず、能動的でアクティブな参加を望むことになるが、その参加行動が発生するのは常に、ユーザーが実在し、サービスが提供される現場である。このため、「経験戦略はこういうカスタマージャーニーで…」などと本社が企画・立案しても、現場で最適経験が提供されなければ、失敗するだけである。

 ブランディング3.0時代のユーザー経験とブランドのあり方は、微細な心で慎重に設計・構築されるべきであり、あらゆる商品・サービスが、正確無比に丁寧に提供されるべきなのである。「実行」段階に関する深い考察と、現場での最適で柔軟なオペレーション実行を支える経営ルール変更の必要性が大きく高まっている。

 大手玩具メーカーのレゴは、自社のLEGO Ideasというサイトで、ユーザーからアイデアを募集している。これは2008年にCuusoo(=空想)という名前で、日本から始まったプロジェクトである。ユーザーからアイデアを募集し、他のユーザーが投票するのであるが、その中で投票が1万票に到達したアイデアは、レゴ社内のレビューボードで検討され、合格したアイデアが実際の商品になり世界中で発売される。

 これだけではないのが、レゴブランドの面白いところである。大人のレゴファン(“Adult Fan of Lego”=“AFOL”と略して呼ばれる)による、レゴブランドコミュニティを意識した様々な仕組みやサイトが存在している。