「だから3代目でつぶれるんだ」という
経営者たちの嘆息
前回の 第101講 子どもの発想力・自立心の鍛え方(3)「貧乏」にする、には非常に多くの反響があり、また過去最高レベルの、551「いいね!」をいただきました m(__)m
いちばん評価いただいたのは、副題にあるとおり、
・ママ友の「○○ちゃんがかわいそう」攻撃(=低きへの同調圧力)
・ジジババ(+オジオバ)軍団のお小遣い・プレゼント攻撃
について正面から書いたことにあったでしょう。この2つに親が負けるところから、子どもの自立心や意思決定力低下が始まります。親世代の奮戦と、ジジババ世代のご理解に期待します。いや、本当に。
数年前、某所の経済同友会の集まりで研修をやりました。テーマは「決める力」だったので経営者数十名を対象に「サバイバル演習」などをやったのですが最後、(いつも通り)子育て論をぶちかまし、上記のような話もしました。
そうしたら研修後の雑談会で、何人もの経営者たちが口々に言うのです。「最後の話がいちばん心に刺さった」「あぁ、だから3代目でつぶれるんだ」
どういうことかと聞くと、「自分たちは、貧乏で何もなくて、創意工夫して遊んで、そして努力して企業を築きあげてきた」「でも、貧乏からの脱出が目的だったから、息子や娘には贅沢をさせた。そしたらああなっちゃったけど、まだあいつらの代は自分の目が黒いうちだからなんとかなる」「でも、孫たちはジジババとして、もっともっと贅沢させてダメにしている」「孫の代には自分はいない。絶対会社はつぶれる」「そういえば、周りのオーナー企業もみんなそうだ。3代目でつぶれてる(*1)」と。
歴戦のベテラン経営者たちが、互いに顔を見合わせて「そうだ、そうだ」と溜め息交じりに頷きます。
「なにウンウン納得してるんですか」と、私。
「そんなヒマがあったら、孫をどうにかしてください。ダメにしてるのは、みなさんなんでしょ?」「孫が、そして、つくり上げた企業が本当にかわいいなら、明日から楽しいけどケチなジジババになってください」
*1 大王製紙 第6代社長で86億円の不正借入によって特別背任罪(4年の実刑判決が確定)に問われた井川意高(いかわ もとたか)は創業家の3代目。「ナッツリターン」事件を引き起こした趙顕娥(チョ・ヒョナ)も韓進グループの3代目。