特に、米国はシェールオイル増産によって、今やサウジアラビアやロシアを凌ぐ世界最大の産油国になっている。市場でのシェアを落としたくないサウジは、OPEC会議内での減産に反対した。

 そうした原油の供給サイドの変化によって、原油の需給は世界的に緩んでいる。生産コストが高いと言われる米国の一部のシェール油井でも、採算割れに伴う減産を行うためには時間を要する。そのため、原油の需給状況は短期間には大きく変化しないだろう。

当面、原油安のトレンドが続く
日本にとってはデメリットも

 エネルギー専門家の中でも、「原油価格はさらに下値余地がある」との見方もある。少なくとも、年前半に原油価格が大きく反発することは考え難い。

 原油などエネルギー価格の下落は、わが国のように輸入依存度の高い諸国にとっては大きなメリットがある。わが国の貿易赤字は昨年前半に底を打ち、今後円安による輸出数量が増え始めると、徐々に赤字幅は減少する可能性が高い。

 もっとも、原油安にはデメリットがあることを頭に入れておくべきだ。原油安によって、サウジなど主要産油国の手取り代金が減少する。ベネズエラなどは、財政状況が悪化してデフォルトが発生することも考えられる。

 また、米国内のシェールオイル企業の中には、規模が小さく、資金調達に窮するところが出てくることも考えられる。そうなると、低格付け企業の債券(ジャンク債)の市場が不安定化する。

 ジャンク債市場が不安定化すると、大手投資家がリスクを嫌って、持ち高を減らす(リスクオフ)に走ることも懸念される。大手投資家がリスクオフに向かうと、世界的に株式や為替の市場が荒れることが想定される。

 2015年は、わが国にとってとても重要な年になる。安倍政権誕生以降、大きな実験とも言うべき大胆な金融政策のために円安・株高が進み、人々の心理が少しずつ明るさを増した。