スピードアップと責任意識

 まず、会議を全廃すると、スケジュールが真っ白になるので不安になります。不安なので、現場の情報が気になり、情報システムでとれる報告、KPI進捗は、リアルタイムで見るようになり、現場メンバーにも直接声をかけることが増えました。現場からするとうるさいかもしれません。しかしながら、真剣に聞いて、判断すべきを判断し、アクションを取っていけば、現場メンバーが自発的に、まだ情報として整理されていない兆しなどを話してくれるようになり、情報の量も質も向上したと感じます。

 会議がないと、課題を認識した「現在」が判断の機会になります。何をすべきか自分自身で判断して、それを関係者にメールなり電話で共有します。意見を聞きたいパートナーがいれば、直接聞いて、内容を変更することもあります。

 会議を開くと、なんとなく全員のコンセンサスを取ろうとして、責任者も不明確になりがちですが、会議がなければ、逆に、そもそもの責任者が誰なのかも明確になるので意思決定スピードが速くなります。

 会議をするにしても3時間の会議設定をするから、3時間議論していたのだと気づきます。5時間だと5時間。1分だったら1分で済むのです。つまり、複数人の参加や時間の長さに意味があるのではなく、責任意識と意思を持つ個人がいるかいないのかが重要なのです。もちろん、「私は聞いていない」と、クレームが出ることもありますが、組織内の意思決定スピードと結果への責任感は確実に上がります。

本当に議論すべきこと

 会議への参加依頼があれば、まず会議設定者に話すようにしています。決めたいことが何なのかを聞いてみれば、会議前に意思決定できることがほとんどです。さっさと意思決定し、会議はキャンセル。資料準備も必要ありません。

 原則として「会議なし」とすれば、自分自身だけでなく、周囲も、安易に会議設定をしなくなりますし、本当に議論すべき課題は何なのかが明確になってきます。これだけで、文字通り会議の8割は減ります。すると時間の余裕ができるので、これまでに見えていなかったより課題や機会を考える時間が増えました。

 また、オフィス内を物理的にうろうろ移動する時間が増えるので、眼に見えるコミュニケーションが取れるようになったと感じます。物理的に移動し、会議以外でのコミュニケーションが増えれば増えるほどに、自分自身のモチベーションも高まってきていると感じます。

 以上、私見を共有させていただきましたが、そもそも会議の生産性は、企業カルチャー、教育、組織構造、情報システム、評価制度など、さまざまな個別課題が関わると思います。それら一つひとつを修正するのは非常に大変なことです。だからこそ、それらの結節点になっている会議自体を強引にでもなくして(ゼロにして)再スタートすることに意味があるのです。

 そうすることで、個々人がそれぞれの責任を強く意識し、本当に議論すべき課題は何なのかをあぶり出し、組織の生産性を向上させることができる。私はそう確信しています。

 また機会があれば、会議の良い面も含めて考察を深めたいと思いますが、まずは、2015年に予定されている会議を全てキャンセルしてみてはいかがでしょうか?