公務員講座など資格試験の専門家にして弁護士の豊泉裕隆が、公務員への就職・転職を目指す人のために、役立つ情報を提供する連載の第2回。「公務員のおいしさはやはり安定した給料にあり?」

 みなさんこんにちは、弁護士の豊泉裕隆です。今回は「公務員はこんなにおいしい」というテーマでお話させていただきます。

 私もこの連載を始めるに当たって、公務員という仕事について色々調査しました。 その結果、公務員はとてもおいしい仕事であることが分かりました。 もしかしたら弁護士よりもはるかに…

 いやいや、深く考えないようにします(笑)。

 さて、一言でお仕事と言っても見所はたくさんありますが、やはりみなさんが一番気になるのはお給料ではないでしょうか?

 というわけで、今回は公務員の給料についてお話していきます。地方公務員の場合、地方によって差があるので、今回は国家公務員の給料についてお話させていただきます。

 国家公務員(全職種)の平均給与月額は、41万5426円です(平成26年国家公務員給与等実態調査)。これだけでも十分おいしい額ですが、何とこれに加えて年2回のボーナス(約4ヵ月分)も支給されるのです。

 そして、残業代もきちんと支払われます。もちろん、予算の範囲内ではありますが。ボーナスや残業代が出ない民間企業も多くなってきたこんな時代に、これらがきちんと支給されるというのは、公務員のおいしさと言えるでしょう!

 そんなこと言ったって、給料は弁護士のほうがおいしいんじゃないの?といった声が聞こえてきそうですね。ひと昔前であれば、そう言えたかもしれません。 しかし、平成24年度の国税庁の統計では、衝撃の事実が明らかになっています。

 平成24年度に確定申告をした弁護士は3万5902人でした。このうち赤字の人は、な、な、何と7786人です。実は確定申告をした弁護士のうち4分の1以上は赤字なのです。

 次に、一番下の階級である所得が70万円以下の人ですが、これまた何と5508人もいます。つまり、約37%もの弁護士が、赤字か所得70万円以下という結果になっているんです。 この統計を見る限り、「給料は弁護士のほうがおいしい」と言い切れる時代は終わってしまったと言えるでしょう。

 ただ、弁護士の名誉のために言っておきますと、同じく平成24年度の国税庁の統計によれば、弁護士の中には所得1億円以上という猛者が288人もいます。一番上の階級では、所得が5億円~10億円という中に5人いました。したがって、弁護士が1から10まで全く稼げないということではありません。要するに、弁護士は稼げる人と稼げない人の差が激しいということです。

 これに対して、公務員は安定した収入を得ることができるという点は、圧倒的なおいしさと言えます。民間企業も弁護士も収入が安定しないこんな時代だからこそ、安定した収入を得ることができる公務員はお勧めの仕事です! 私もあと5年若ければ……。いやいや、私は弁護士という仕事が好きだから良いんですけどね。

 次回は、勤務時間という点から公務員のおいしさに迫ります。アップは1月20日(火)の予定です。てゆーか明日です、怒涛の連載ですね(笑)。

 それではみなさん、次回も是非ご覧ください。