会社を「見える化」する
思いがけない効果

小山 御社は工場内に見学通路をつくられ、「会社の見える化」を図っていますね。これもさまざまな効果があったのでは?

石坂 産廃会社のことを理解してもらうには、プラントを見学してもらうべきと考えました。一人でも多くの方に、産廃会社の社員が汗水たらして廃棄物を分別し、リサイクルしていることを知ってもらいたと思いました。
 多くの方に会社を見てもらうと、社員のモチベーションがアップしていきました。私が言葉をかけるよりも、見学者に見てもらったほうが社員に誇りが芽生えました。

小山「会社を見てもらう」意義は2つあります。1つはいま言われたように、社員が育つために見てもらいます。
 もう1つは会社のノウハウを見てもらうこと。これは当社が行っている経営サポート事業です。当社は経営コンサルティングを行っていますが、有料で現場を見てもらっています。御社もそうした事業ができる可能性があります。

石坂 それには私自身がもっと勉強しなければ! 本日はどうもありがとうございました。
(おわり)

<著者プロフィール>
埼玉県入間郡三芳町にある産業廃棄物処理会社・石坂産業株式会社代表取締役社長。99年、所沢市周辺の農作物がダイオキシンで汚染されているとの報道を機に、言われなき自社批判の矢面に立たされたことに憤慨。「私が会社を変える!」と父に直談判し、2002年、2代目社長に就任。荒廃した現場で社員教育を次々実行。それにより社員の4割が去り、平均年齢が55歳から35歳になっても断固やり抜く。結果、会社存続が危ぶまれる絶体絶命の状況から年商41億円に躍進。2012年、「脱・産廃屋」を目指し、ホタルや絶滅危惧種のニホンミツバチが飛び交う里山保全活動に取り組んだ結果、日本生態系協会のJHEP(ハビタット評価認証制度)最高ランクの「AAA」を取得(日本では2社のみ)。
2013年、経済産業省「おもてなし経営企業選」に選抜。同年、創業者の父から代表権を譲り受け、代表取締役社長に就任。同年12月、首相官邸からも招待。2014年、財団法人日本そうじ協会主催の「掃除大賞」と「文部科学大臣賞」をダブル受賞。トヨタ自動車、全日本空輸、日本経営合理化協会、各種中小企業、大臣、知事、大学教授、タレント、ベストセラー作家、小学生、中南米・カリブ10ヵ国大使まで、日本全国だけでなく世界中からも見学者があとをたたない。『心ゆさぶれ! 先輩ROCK YOU』(日本テレビ系)にも出演。「所沢のジャンヌ・ダルク」という異名も。本書が初の著書。