石坂 はい。係長以上の幹部社員に巡回の仕方を教え、交代で巡回し、「巡回指導報告書」を書かせることにしました。
 さまざまな部署のマネジャーが毎日現場を巡回し、現場の状況を報告してくれます。そうすることで、気づき考えるクセを身につけていきました。

小山 武蔵野の社員は10年以上経つと、みんな小山昇になってしまいます。私と価値観や考え方の方向が合ってくるのです。

石坂「社長ならどう考えるか?」という思考の社員さんがいることはすばらしいですね。私は社長に就任してからずっと「創業者だったらどうするか」と考えて経営判断を行ってきました。今後はそういう幹部を増やしていきたいです。

最強組織への4ステップとは?

小山最強の組織は、社長と社員の価値観が揃っています。でも、そうなるまでには段階がある。
 最初は「伝えるレベル」、次に「伝わるレベル」です。「伝えるレベル」の時代は社長が一人で「うちの会社はこういう会社なんだ」と伝えています。それが「伝わるレベル」になると、幹部社員たちが「うちの会社はこういう会社なんだ」と話し始めます。
 さらには、新入社員に「教える」というレベルがあります。さらにレベルアップすると、自発的に「教わる」になります。人間は、自分で気づいて学び始めると大きく成長します。

石坂 うちの会社は「伝える」から「伝わる」に移行してきた時期です。