結論ありきの
ピア・レビュー会合
原子力規制委員会とその事務局である原子力規制庁は、原子力発電所の敷地内に“活断層”が絶対ないことの証明――、いわば『悪魔の証明』を、日本原子力発電(敦賀原発2号機、福井県敦賀市)に対して求め続けている。
規制委・規制庁は、これと同じことを、東北電力(東通原発;青森県東通村)にも求めている。これは、あまりにも「非科学的」だと言わざるを得ない。
敦賀原発2号機は、規制委・規制庁による「正式審査」の前段階の“プレ審査”で止まっている。これに関する経緯や現況については、本連載第37回拙稿『2015年、原子力規制委員会は「科学的・技術的」な集団へ脱皮できるか?』に詳しい。
規制委・規制庁は、敦賀や東通に係る“活断層”の扱いに関して、いったい、いつまでこんなことを続けるというのか?
規制委・規制庁は、科学的な根拠を基に“○か×かの判定”をすべきなのに、なぜそれをせずに曖昧な言い方に終始するのか?
東通原発の活断層を調査するため、規制委・規制庁に「東北電力東通原子力発電所敷地内破砕帯の調査に関する有識者会合」が設置されている。この有識者会合は、先月22日の第12回評価会合で、「評価書案」を提示した。
この評価書案は、一言で言うと、東通原発の敷地内にある破砕帯は“活断層でないとは言えない”という曖昧なもの。この評価書案に対して、東北電力は今月15日、反論の意見書を提出した。このような規制委・規制庁vs東北電力のやり取りは、今後どうなっていくだろうか?