長期金利の急低下が止まらない。1月下旬に長期金利の指標となる10年物国債の利回りが過去最低を更新して、一時、史上初めて0.1%台に突入した。5年物国債もマイナス金利を付けた。さらなる追加緩和も見込まれ、長期金利は今後も低下する公算が大きいが、その先にあるのは国債市場の“死”だ。

「日本の銀行が現金を詰め込むため、巨大な倉庫を保有することになるかもしれないね」──。メガバンク幹部は冗談っぽく笑いながら言った。

 金利の急低下が止まらない。債券市場で1月20日、長期金利の指標となる10年物国債の利回りが過去最低を更新して一時、0.195%と史上初めて0.1%台まで低下した。さらに5年物国債の利回りが初のマイナス金利を付けるなど、債券市場は前代未聞の非常事態に陥っている。

日本銀行の黒田東彦総裁は21日の金融政策決定会合後、日銀当座預金の超過準備に適用している付利の引き下げや撤廃について、議論がなかったと明かした(写真)
Photo:AFP=時事
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