原油の純輸入国だった米国がいまや、産出国として世界一の座に躍り出るまでになったのだ。14年の非OPEC諸国による石油生産量は前年から、日量で180万バレルも増加。このうち、実に80%の140万バレルが米国における生産、つまりシェールオイルの増産によるものだという。シェールオイルの生産量は、日量でOPEC全体の生産量の15%に相当するまで膨らんでいる。

 それはまさに新たな市場の“創造”といえた。需要の伸びをはるかに上回って供給が伸びているわけだから、原油はだぶつき、価格が下がるのは当然だろう。

 さらに、産油国同士のカルテルの“崩壊”が原油価格の急落を決定付けた。

OPECが減産見送りで
事実上の崩壊

 シェールオイルの大増産で供給量が増えたとしても、中東を中心とした産油国12ヵ国でつくるOPECが生産調整で減産して、需給を調整すれば、価格の下落に歯止めをかけることはできた。

 しかし、そうはならなかった。昨年11月に行われたOPECの総会で、サウジアラビアの主導によって減産の見送りが決定したのだ。

 市場関係者はこれまでOPECに対して、油価急落時には緊急総会を開催し、価格維持のために減産に踏み切るとのイメージを持っていたが、「今回、OPECはその調整機能を自ら放棄したわけで、市場からの信頼を完全に失った」(総合商社の石油トレーダー)。

 その結果、原油相場の底が抜けてしまい、OPEC総会での減産見送り以降、原油価格は見る見る転がり落ちていった。

「事実上、OPECのカルテルは崩壊してしまった」(エネルギーアナリスト)

 減産が実現しなければ、価格の本格的な反転は難しいとみられる。しかし、OPECのパドリ事務局長はOPEC加盟国と非加盟国が減産を協議する可能性について、「目先にはそうした計画はない」と海外メディアで断言している。