イチローのマーリンズ加入で
日本人選手未在籍の球団は残り1つだけに
ニューヨーク・ヤンキースをFAで退団したイチローの移籍先が決まった。マイアミ・マーリンズである。
年俸は200万ドル(約2億4000万円)。最盛期(08~12年・シアトル・マリナーズ)は5年総額9000万ドルの巨額契約を勝ち取ったイチローも41歳を迎えた今、選手としての価値はかなり落ちてしまったようだ。
とはいえ、マーリンズはイチローを獲得できたことを大喜びしているようで、特別待遇の迎え方をした。約1万2000キロも離れたマイアミから、ゼネラルマネージャー、球団社長、編成本部長の幹部3人が駆けつけ、日本で入団記者会見を行ったのだ。
その理由をヒル編成本部長はこう語った。
「今日は歴史的な日。わがマーリンズにとって初の日本人選手だからこそ、イチローの故郷である日本で発表することが非常に重要だと考えた」
だからこそ最大の礼を尽くしたわけだ。
野茂英雄がロサンゼルス・ドジャースに入団したのが1995年。日本選手でもMLBで通用することが証明されて以降20年間で56人の日本選手がMLB球団に入団した。
MLBはアメリカンリーグとナショナルリーグで15球団ずつ、計30の球団がある。昨年まで日本選手が在籍したことがある球団は28。今回、マーリンズがイチローを初の日本選手として迎えたことで29球団となった。残る1球団はシンシナティ・レッズだけとなったが、レッズも球団の方針で日本選手を避けているわけではないようで、単にこれまで縁がなかったということだろう。
野茂がMLBに挑戦した時は冒険のように思われたものだ。それが今、日本選手がMLB全球団のユニフォームを着る日が近くなるとは。改めて先陣を切って挑戦しレールを敷いた野茂と、それに続いて実績を重ねた選手たちの奮闘を称賛したい。