取り組むべき3つの課題

 昨年の夏ごろから、危機意識を共有している中日両国は、水面下の静かな努力を通じ、妥協点を探りつつ、着地点を見出すことができた。ヤーヌス的な「4項目の合意文書」によって、騎虎の勢いの両国は、ともにメンツを保つことができた。これにより、首脳レベルの対話のドアが少し開き、冷え込んだ中日関係をようやく緩和に向かわせた。合意文書と首脳会談の意義は、中日間に横たわる懸案をすぐに解決できなくても、少なくともこれ以上悪化させてはならないという共通認識が形成され、最悪の危機を避けるための契機を作ったと評価できよう。

 他方、中国では、「三尺もの厚い氷は一日の寒さでできたものではない」という諺がある。合意文書の解釈に関して両国は早くも対立が表面化した。確かに合意文書は、その核心である釣魚島問題と歴史認識問題に関して玉虫色の感は否めず、今後、舵取りを誤れば、再び火を噴く可能性を秘める。合意文書と首脳会談を出発点に、脆弱な中日関係を安定させるためには、(1)政治的信頼の醸成、(2)国民感情の緩和、(3)危機管理「メカニズム」の構築が当面の急務である。

 中日両国は、引っ越しのできない永遠の隣人である。グローバル化が進み、地球は一つの共同体となりつつある昨今、中日両国は、経済的に持ちつ持たれつの関係を構築することができた。ウィンウィンの関係こそが、中日両国にとって最善の道である。そして、「平和、友好、協力」の中日関係は、中日両国のみならず、世界にとっても福音である。

 戦後70周年という節目の年を迎え、中日関係に果たして春の季節は訪れるだろうか。敏感な問題に如何に対応するかは、今後の中日関係を占う試金石である。両国が叡智を傾け、今回の合意文書のように互いに妥協点を求める姿勢を貫けば、そうした困難を乗り越えることができるのではなかろうか。