新年にあたって「今年は月に○冊本を読む」と決めたのにもかかわらず、すでに挫折しかけている人もいるのではないだろうか。何かと時間がないビジネスパーソンの中には通勤電車を読書時間と決めている人もいるかもしれないが、「以前は電車で読書していたが、両手を使わなくてはならない読書に比べて片手で操作できるスマートフォンは便利。短距離だったり車内が混雑していると本をわざわざ開く気にはならない」という声も聞いたりする。現代人の読書時間はどのぐらいなのだろう。電子書籍配信・販売サイト「honto」が行った調査を見てみよう。
調査対象は20~40代の男女300人。
読書家と1冊も読まない人の乖離が大きい?
3、4割は「月に1冊も本を読まない」
あなたは毎月1冊以上読書しているだろうか。1冊以上読書していれば、約半数の人よりも本を読んでいることになる。
「本や電子書籍、毎月1冊以上読んでいる?」という問いに対して、20代~40代まで全ての世代の男女の半数以上が「読んでいる」と答えた。最も少なかったのは20代女性で52.0%。最も多かったのは30代女性で66.0%。男性が20代と30代で割合に差がないのに比べ(どちらも56.0%)、女性の場合は大きな差があった。男性で最も「読んでいる」と答えた人が多かったのは40代(62.0%)だった。
とはいえ、どの年代も34~48%程度、月に1冊も読書しないという人がいる。これは決して少なくない割合だ。読書好きの場合、月に数冊以上読む人も一定数いると推測されることから、読書は「ゼロか、1冊以上か」の間に高い壁がありそうだ。
さらに、「あなたの読書時間は1日平均何分」という質問。1日の読書時間が最も長かったのは20代男性の「39.1分」だった。
20代男性は他の世代・性別と比べて「月1冊以上本を読む人」が多いわけではない。「honto」では「40代の男性と比較すると、本を読んでいる人の割合は少ないものの、一人当たりの読書時間数は比較的長いよう」と分析している。30代、40代に比べ独身の多い20代。一人の時間をたっぷり読書に使える人も多いのだろう。
逆に1日あたりの読書時間が他と比べて短かったのは40代男性(29.7分)と40代女性(25.5分)。30分以下となったのは40代だけで、「honto」は「仕事で責任を任されるようになったり、子育てに追われるなど、公私ともに多忙となりがちな世代のため」ではないかと分析している。ただし、「月に1冊以上本を読む」人が他の世代より少ないわけではないので、ポジティブに考えれば効率的な読書が歳と共に身に付いた結果でもありそうだ。