戦後の日本の外交の立ち位置という意味で過去大きなインパクトを持ったのは、1977年の「福田ドクトリン」である。福田ドクトリンは「軍事大国とはならない」「対等の関係」「心と心の触れ合う信頼関係」と言う三つの原則を示し、日本の進出は戦前に通じるような経済侵略ではないかという、東南アジア諸国の猜疑心を払拭するのに大きな効果を生んだ。

戦後70周年に明確にすべき
日本の立ち位置のポイント

 戦後70周年の機会に鮮明にするべき日本の立ち位置として重要なのは、次の三点であると思う。

 まず、歴史認識について村山談話の基本ラインを踏襲するべきであろう。これはすでに歴史修正主義の猜疑心が中国や韓国、さらには米国でもかなり強くなり、植民地支配や侵略という言葉を使うか否かが極めて注目されているときに、1995年以降の内閣が引き継いできた言葉を改めて書くことを避ける理由はない。

 第二に、集団的自衛権の行使の限定的容認は、国際環境の大きな変化に合わせ、国民の生命財産を守るという国家の責任を全うするものであり、憲法9条の大枠と精神に合致していることである。

 そして第三に、日本は戦後70年の日本の平和的発展を誇りにし、今後とも国際協調を旨として、平和国家としての役割を果たしていくという点である。日本は米国や英国とは異なる役割があり、例えば中東についても日本は中東で戦争の当事者であったわけではなく、植民地支配もしておらず、いわば「手の汚れていない国」として人道的支援や国づくりの面で大きな役割を果たしうる。

 日本の安全保障力を強化することと近隣諸国を安心させることは同時並行的に取り組むべき課題であり、このような要素を盛り込んだ談話を発出することにより、他の諸国に言いがかりの口実を与えることは回避されよう。