ロックンローラー・ダイアモンド☆ユカイ氏と「子どもは破壊者」と断じる“子育てブラック・ジャック”こと奥田健次氏。
2人の出会いはダイアモンド☆ユカイ氏が、奥田氏の『世界に1つだけの子育ての教科書―子育ての失敗を100%取り戻す方法―』を読み、自身のブログに「革命!」とアップ(2014年12月27日)したことに始まる。
「ほめて育てればいいと思い込んでいる」「子どもの言った言葉にいちいちつき合う」「子どもが傷つかないように配慮してしまう」今どきの子育ての常識を覆す「ロックな子育て」を提唱する奥田氏と、「タネナシ」=「無精子症」から驚異の不妊治療でいまや双子を含む3人の子育てまい進中のロックンローラーのユカイ氏。ロックな2人のロックな育児対談【後篇】も熱くヒートアップ!(構成・橋本淳司)

ダイアモンド☆ユカイ
1962年 東京生まれ。1986年、伝説のロックバンド「RED WARRIORS」のボーカルとしてメジャーデビュー。人気絶頂期の1989年、わずか3年の活動で日本武道館公演を最後に解散。その後、「ダイアモンド☆ユカイ」として、ソロ活動を開始する。 現在は音楽活動を中心に舞台・映画・バラエティ番組に出演するなど幅広く活動する。 私生活では47歳にして初めてパパになる。 2011年に自身の不妊治療と夫婦の愛と葛藤の日々を綴った『タネナシ。』を発刊し大きな反響を呼んだ。同年11月には双子の男の子も誕生し、現在1女2男の父親。 著書:『タネナシ。』(2011)、『育爺。』(2013) CD:『Respect』(2012)、『RESPECTⅡ』(2013)、「『ムクロジの木』(2014 みんなのうた) レギュラー番組:NHKラジオ第1「すっぴん!」(水曜)、ニッポン放送「キキマス!」(木曜)、FM NACK5「Helloサムシング!」(土曜)、J;COM「ダイアモンド☆ユカイの歴史浪漫」、MONDO TV「ダイアモンド☆ユカイのThe MONDO Times」

ギターに落書き、ピアノにシール!
受精の瞬間に子育ては始まっている!

ユカイ 子育ては毎日毎日が勉強だと思ってる。3人いて1人に集中していると、ほかの2人は別のことをやってるし(笑)。想像以上に親の言うことを聞かないよね。ギターにシールをはられたり、ピアノに絵を描かれちゃったり……。

奥田 子どもは「破壊者」ですから(笑)。トーチャンの仕事道具にイタズラされて、ユカイさんはどうされるんですか?

ユカイ 中途半端だったら怒ったかもしれないけれど、あそこまで完璧にシールをはられちゃうと怒れないもんだね。そうそう、このあいだは部屋の壁に絵を描いてたな(笑)。

奥田 それも破壊ですよ(笑)。芸術は破壊そのものです。白いキャンバスを白でなくしてしまうわけですからね。

ユカイ 妻は「どんどん描きなさい」「消さなくてもいい」と言うんだけど、このときの絵は中途半端な感じがしたので消しちゃった(笑)。
 そういうことも含めて楽しくやってるんだけど、子どもの教育もずいぶん変わってきてるじゃないですか。親と学校の関係も変わってきていて、以前のように「学校に全部おまかせ」という時代じゃない。ちょっと前に、ある大学の先生に「生まれた瞬間から教育は始まっている」と言われたことがあってね。

奥田 僕は、「受精の瞬間から始まっている」と思います。

ユカイ えっ、受精!

奥田 実際、「胎教」という言葉もあって、赤ちゃんがおなかにいるときから音楽を聞いたり、食べものに気をつけたりということはしますからね。通常は、受精の瞬間なんてわかるわけがないので、まあこれは大げさな表現ですけれども(笑)。早くから教育が始まる、というのはまったくそのとおりです。