「商品説明はいらない!」
その理由とは?

 ところが、多くの営業マンが、これとは逆の順番で話を進めています。「商品スペック」を出発点にしているのです。よくやってしまうのが、次のような例です。

「(1)この商品は、こういうものです。(2)こんな技術が搭載されていて、こんな特徴があります。(3)だからこの商品を買っていただくと、こんなにいいことがあります」

 これでは、話の着地点が「こんなにいいことがあるのだから、商品を買ってください」という売り込みになりやすいのです。

 実際はメリットを提示できれば見込みがあるほうで、多くの営業マンは、メリットの代わりに「この商品は、○○○円です」と価格を押し出します。営業マンのあからさまな売り込みが、お客さまを遠ざけてしまうのです。

極論すれば、商品説明は不要です。商品は、相手のメリットを裏づける証拠でしかありません。

 セールスにとって商品を売るのは「目的」ですが、お客さまにとって商品購入は「手段」に過ぎません。この両者の違いを理解した上で、「コストが2割削減できます。当社にはこういう新技術がありますから」などと、商品の特徴を「お客さまにとってのメリット」に変換して伝えることが重要です。