サントリーHD前会長の新浪剛史 Photo:SANKEI
戦後日本を代表する
写真家の土門拳
「翠嵐」は「すいらん」と読む。神奈川県立の高校で、横浜港を見はるかす横浜市神奈川区の丘の上にある。この数年、難関大学合格者を急増させている。
自由な校風のもと、横浜という開放的な街のたたずまいを映して、多くの文化人や学者が巣立っている。
真っ先に挙げられる人物は、第二次世界大戦後の日本を代表する写真家である土門拳(けん、1909年~1990年)だ。伝統文化財や社会的リアリズムを標榜(ひょうぼう)する報道写真で知られる。代表作に「古寺巡礼」「筑豊のこどもたち」など。郷里の山形県酒田市に土門拳写真美術館がある。
土門は旧制神奈川県立第二中学校(現横浜翠嵐高校)を卒業後、日本大学専門部法科に進学するが中退した。20代後半からカメラや写真に興味を持ち、1937年に早稲田大学の卒業アルバムの写真撮影を担当、これが実質的に土門の初めての作品集となった。翌年に青年報道写真研究会を結成し、プロのカメラマン生活に傾斜していった。
美術では、水墨画家の稲垣三郎がいたが、2022年に死去した。
田辺光影(みつあき)は世界的に知られた彫刻家で、野生稲をテーマにした作品が多い。横浜翠嵐高校を経て多摩美術大彫刻科卒だ。2015年に死去した。篆刻(てんこく)家の河野鷹之もいる。







