オペラから手を引いたロッシーニだが、晩年に至るまで作曲は続けていた。『ロマンチックなひき肉』『バター』といったユニークなタイトルから彼がオペラの重圧から解放されたことがわかる。

 また、美食で人をもてなす彼の周りはいつも人でにぎわっていた。

 最近、人とのつながりと長寿の関係性が明らかになりつつある。きっかけは米国のホルトランスタッドという学者がたばこや酒、運動や肥満といった項目よりも「つながり」があることの方が寿命を長くするという結論を導き出したことだ。「孤独は喫煙や肥満以上の健康リスクを伴う」というその結果を受け、日本でも高齢者の社会参加促進の試みが始まっている。

 食卓を囲むことで人と人とはつながることができる。同じ釜の飯とはよくいったものである。美食は必ずしも寿命を縮めるだけのものではないのだ。

※参考文献/『友だちの数で寿命はきまる』石川善樹著