「アンチエイジング」は女性に限ったテーマではありません。男性もいつまでも若々しく元気なほうが魅力的。実際に「若く見える人のほうが、老けて見える人より長生き」という研究もあるほどで、「老化を考えること」は「健康を考えること」に直結します。そこでこの連載では、男性目線でのアンチエイジングとそれを支える食について考えていきます。連載の1回目である今回は、まず「男性の老化(エイジング)」について説明していきましょう。
大事なのは「何歳まで生きられるか」ではなく
「何歳まで元気に生きられるか」
「何となく疲れやすくなった」、「鏡を見ると老けたなあと思う」、「髪が抜けてきた」、「スポーツをやると運動能力が落ちていると感じる」……。これらはあんまり嬉しくない老化の自覚ですね。年齢を重ねるごとに身体の衰えが出てくるのは致し方のないことです。
日本人の平均寿命は、2012年の調査で男性79.94歳、女性86.41歳です。1960年の調査では男性65.32歳、女性70.19歳でした。50年ほどで男女とも約15年寿命が延びたことになります。
この平均寿命より、男性で7年、女性で9年短いと言われているのが、健康寿命です。介護などを必要とせず、元気に過ごせる寿命のことです。男性で73歳、女性で77歳となりますから、ずいぶん印象が変わりますね。平均寿命も大事ですが、皆さんにとってより関心があるのはこちらの寿命ではないでしょうか。この健康寿命を延ばすのが、アンチエイジング医学の目的ということになります。