老化の一因「AGE」の正体
老化を強力に促進する要因に「糖化」があると前回お話しました(「老化のスピードを早めてしまう『糖化』とは?」)。
糖化とは、高い温度の元で糖分が蛋白質と結び付くものです。そして、このとき出来るのがAGE(終末糖化産物)です。
このAGEですが、実は料理や食品で目にすることができます。おいしそうに焼き上がったホットケーキにはキツネ色の焦げ目ができますよね。これがAGEです。ホットケーキの中の砂糖(糖分)とミルクや卵の蛋白質が結合したものです。焼く前には発生しませんが、高い温度が加わると反応してできます。クレームブリュレの焦げ目の付いたところや、魚や肉の照り焼き、ウナギのかば焼きの焦げた部分なども実はAGEなのです。
AGEは「終末糖化産物」の略語で強力な"老化促進物質"の一つです。増えたAGEは体を構成する蛋白質にくっつき、その機能を低下させてしまいます。
前回、AGEによって皮膚のたるみやしわ、動脈硬化が促進され、骨粗鬆症や白内障、アルツハイマー型認知症の原因ともなるとお話しました。
皮膚を例に、AGEと老化促進について少し詳しくご説明しましょう。
皮膚の真皮層のコラーゲンやエラスチンにAGEが取りつくと、正常な構造が壊されます。すると、繊維のつながりがおかしな形に変えられ弾力性を失います。その結果、たるみやしわが生じて見た目が老けて見えてしまうのです。