フォードは08年にボルボを含むいくつかのブランドを手放す決断をしてから、それらのブランドに投資をしませんでした。吉利傘下に入ることが決まるまで、ボルボも開発が控えられ、将来が見通せなくなっていました。大勢の従業員を解雇しました。しかし、新たな所有者が決まってから雇用を増やし始めました。昨年末からさらに1000人を雇い、2万5000人規模になります。

――ボルボが復調したのはなぜですか。

 よって立つDNAは同じです。安全性の追求は、聖域であり、妥協はしません。

(吉利傘下になってからは)新しいデザイナーが、北欧的なシンプル、かつ控えめな、より洗練されたデザインにしました。例えば、通常、SUVには40~60個のボタンがありますが、XC90はタッチパネルを使い、ボタンを8つに減らしました。

 われわれが言う「スカンジナビアン・ラグジュアリー」とは、見せびらかすようなぜいたくとは違った、控えめな高級感で、生活の質を重視する価値観に基づいています。スウェーデンが持つ、クールで、安全で、モダンなイメージとも言えます。中国での“ラグジュアリー”の概念も、生活の質を重視したものに急速に変わってきているのを感じます。

 また、技術面では2010年以降に、環境に配慮した四気筒のエンジンを開発しました。こうしたボルボの独自技術で造ったのが、XC90です。2010年に開発を決めてから5年掛かりました。

 ボルボも、サーブのように(事実上、破たんした状態に)なると考えていた人には、ボルボの現状の業績は思いもよらぬものでしょう。われわれは上昇を始めたところで、将来を楽観しています。

――とはいえ、14年の営業利益率は1.7%と、大手と比べて低いです。大手のほうが、規模を生かした効率化を図りやすいと考えますが、いかがですか。

 2%の営業利益率は誇れる数字ではありません。われわれは車種をBMWの半分に絞り、効率化を図っています。XC90の発売以降は、販売台数の拡大と部品の共有化を同時に進め、利益率を高めます。四気筒のエンジンの(大部分を複数車種で共有する)プラットフォームをつくることで、コストを減らすことができます。