IoT時代には、ソフトウェア発想で<br />日本のものづくりの力を活かせアップルWebサイトの「Apple Wactch」紹介ページ

 いよいよ、そのアップルがスマートウォッチに参入した。ペブルが先行者利益を享受している間に、アップルはスマートフォンの時と同様、二番手スタートで一気に先頭を抜き去る戦略のように見える。

 センター・エッジのバランスがエッジに傾くその瞬間に圧倒的にエレガントなユーザー体験をもたらすハードウェアとソフトウェアで市場自体を急拡大する戦略だ。

 今回発売されたアップルウォッチが、iPhone発売の時のように一気に大ヒットするかどうかは分からないが、長期的にはアップルがデジタルウォッチ市場のリーダーになってもおかしくない。人々の生活の中に深く入り込んだスマートフォンの延長線上にスマートウォッチはあり、スマートフォンでの利用シーンをさらに豊かに簡便にしてくれるスマートウォッチは着実に普及が進むことだろう。

 アップルがサイズの大きい新型iPhone 6を半年前に発売したのは、スマートウォッチとの連携を考えてのことだと思う。スマートウォッチがあれば、スマートフォンはポケットしまっておける。ウォッチ画面ではできない作業のみスマートフォンで行うことを考えると、スマートフォンは大きい方が使い易い。

専門家は過去の成功しか
教えてくれない

 専門家は、過去の新製品、新規事業の成功の理由をいろいろ解き明かしてくれるが、未来のタイミングは教えてくれない。絶妙のタイミングは終わってみないと分からないからだ。フィットビットもペブルも自ら研究してタイミングを計ったわけではなかろう。

 多くのベンチャー企業がトライ&エラーを繰り返している中で、センターとエッジのバランスが変化し始めた時に果敢に挑戦した者の中から勝者が出る。しかも、ソフトウェア中心の開発は失敗のコストがハードウェアの場合より桁違いに小さい。トライ&エラーがし易いのだ。

 アップルは、MacBook、iPod、そしてiPhoneのヒットが続くまでは苦しい時代が続いた。以前は、故スティーブ・ジョブスの高度なビジョンに技術やインフラがついてこなかった。今は、センターとエッジのバランス、ハードウェアのコスト、OEM生産の進化、クラウドサービス、などすべてのインフラはアップルのビジョンに味方している。ここしばらくはアップルの時代が続くだろう。

 翻って日本企業はどうだろう。ものづくり信仰に囚われていては浮上しないことは明らかだ。これからのハードウェアは、ソフトウェア・サービス発想でデザインした事業の延長線上でユーザーの体験を圧倒的に向上するものでなければいけない。

 幸いにも、IoTの流れはエッジ端末の高度化に向かっている。日本のものづくり技術が活かされるはずだ。日本の高度なハードウェア技術・部品を引っ張ってくれるソフトウェア・サービス人材をグローバル規模で発掘することが、日本の製造業の発展の道であろう。