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シェアライドが急激に普及した3つの理由
1.スマホ+クラウドの高性能化
2007年にiPhone、2008年にアンドロイドフォンが登場。そして2010年からクラウドビジネスが急拡大。スマホ及びクラウドの情報処理能力が急激に向上し、サービスプロバイダーの初期投下とランニングコストが急激に低減した。
ユーザーはアプリをダウンロード。アプリを開き、マップ上にシェアライドの希望場所を指定すれば、クルマがやってくる。支払いはUberの場合、事前に登録したクレジットカードで行なうなど、ユーザーの利便性が劇的に向上した。
2.クルマのコモディティ化
本連載195回「モーターショーとカーディーラーが消える日」で指摘した通り、クルマという商品の社会での立ち位置が近年、急激に変わってきている。
具体的に言えば、自動車市場はユーザーの違いによって富裕層市場、中産階級層市場、そして低所得者層市場に大別できる。ベンツ・BMW・ベントレー・フェラーリなどを買い続ける富裕層、クルマへの憧れがまだ残っている低所得者層、そしてその間の中産階級層では、“クルマのコモディティ(道具)化”が進んでいる。
UberやLyftのドライバーは、彼ら自らが所有するクルマをコモディティとして見ている。愛車のなかに見ず知らずの他人が土足でズカズカ上がり込んでも、気にならない。それより「効率的にコモディティを使って儲かれば良い」という願望が優先する。UberとLyftのドライバーとユーザーを年代で見ると、20代後半から40歳前後が多い。これはまさに、米マーケティング用語の「ジェネレーションY(1975~1989年生まれ)」に相当する。
3.SNSによる相互信頼
ユーザー、ドライバー、そして運営母体がSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)というループのなか、お互いに監視し合うことで「自分は皆に守られている」という発想を持つ。
これにより、走行中の車内で金銭や会話上のトラブル、車両の不良整備によるトラブル、そして交通事故等、種々のトラブルに対する“警戒感”が薄れている。